株式会社 エス・ティー・シー

 

今回は静岡市駿河区寿町に本社を置く、株式会社エス・ティー・シーに取材に伺いました。主に携帯電話販売代理店の営業をされているこちらの会社で、どのように外国人社員が活躍されているのか、人事部部長の藤 政人 様にお話を伺ってきました。

 

  -本日はどうぞよろしくお願いします。まず、株式会社エス・ティー・シーの主な事業と外国人社員数などについて教えてください。 

「当社では、主に携帯電話販売の代理店営業を行っています。外国人社員数については、平成3012月時点で、合計27人となっており、ブラジル9人、台湾7人、中国と韓国がそれぞれ4人ずつ、ベトナム・フィリピン・ミャンマーがそれぞれ1人ずつとなっています。」

 

 -多様な国籍の方が働いているのですね。外国人社員の役割などを教えてください。 

「外国人社員全員が、店頭のスタッフとして働いています。ですので、現在214名の店頭スタッフが働いていますが、そのうち27人が外国人の社員ということになります。 

 外国人社員には基本的に、日本人のお客様に対応できる能力を身につけてもらうようにしています。そのうえで、外国人のお客様が来店された際に語学力を生かして接客してもらっています。外国人社員も日本人社員と同じ職種で採用し、日本人社員と同じ研修をしています。」

  

 -外国人社員の方はどのように採用しているのですか? 

「中国人や台湾人、韓国人の社員は直接現地に赴き、大学を卒業した人を採用しています。そのほか、日本の他の会社で派遣社員として働いていたブラジル人の方を採用したり、県内の大学を卒業したミャンマー人の方を採用したりと様々な経歴の方を採用しています。」

 

 -外国人社員を採用した経緯を教えてください。

4年前、県の西部地域を中心に定住人口の多い日系ブラジル人に対する携帯電話の販売を積極的に進めていこうと決めたことがきっかけです。日系ブラジル人は定住人口に比して、携帯電話の販売に関わる仕事をしている人が少なく、工場以外の場所で正社員として働く人も少ない状況です。一方で携帯電話の販売する際には、契約プランや料金のキャッシュバック等の説明をすることが求められます。当時、そういった場面で頼りになる日系ブラジル人を通訳として採用するという流れが愛知県を中心に起ってきていました。当社では日本語能力のある日系ブラジル人を通訳としてではなく、日本人のお客様にも対応してもらう社員として採用をしたいと考え、正社員として働く希望を持つ方を4年前にはじめて1人採用しました。その後、徐々に他の国籍の方も採用するようになりました。」

  

-4年前に県内の定住人口が多いブラジル人の社員をはじめて採用されたのですね。では、県内の定住人口が少ない国籍の社員も採用している理由は他にあるのでしょうか? 

「静岡県ではあまり数の多くない韓国人や台湾人といった外国人社員については、現地で採用をする際に、日本人と同等、もしくはそれ以上の能力を持つ人をとるという方針で採用しており、採用した外国人のスタッフはハングリーに気合を入れて働いてくれるからです。実際に、昨年11月に入社した外国人スタッフは入社して1年ほど経ちますが、かなりいい営業成績を出しています。海外での採用面接会では、高学歴で日本に憧れを持っている人、日本で働く意志の強い人、日本語能力の高い人等を選抜し、コミュニケーション能力などとあわせて選考しています。」

  

-とても意欲的に働いていらっしゃるのですね。 

「そのほかにも、フィリピン人の社員も現在絶好調です。また、ミャンマーの社員も静岡では珍しい存在で、店舗近くの日本人学校に通うミャンマー人学生がこぞって来店してくれるようになっています。どの社員も日本人のお客様にきちんと対応ができ、かつ近隣の外国人住民を呼び込む要因にもなってくれており、大活躍しています。」

  

-外国人の社員が活躍できるよう社内で工夫されていることや取り組んでいることがあれば教えてください。 

「社内のブラジル人社員だけで集まり、ミーティングを行って、今後どう市場を拡大していくのか、SNS等でどうPRしていくのかといったことに関して話し合う機会を設けています。」

「また『外国人だから』という理由で垣根を作らず、日本人と対等に扱うということも大切にしています。サポートが必要な問題があっても日本人同様に丁寧にサポートするようにしていますし、入社して間もない時期は、日本人同様に相談役の社員がつくようにしています。」

  

-最後に今後の事業展望とそのなかで外国人社員に期待されることを教えてください。 

「今現在働いている社員が徐々に核になって、各国籍別のチームや部署を立ち上げることができれば素晴らしいと思います。現在も既に副店長として勤務している外国人スタッフがいます。そういったリーダーシップをとることのできる外国人社員にマネジメントを覚えてもらい、グループのリーダーになってもらいたいと考えています。結果的に県内の外国人のお客様に対して、より深い販売活動をすることができればと考えています。」

 

-本日は貴重なお話ありがとうございました。