フォレスト株式会社

 

今回は磐田市高木にある、フォレスト株式会社を取材してきました。社員のうち半数以上が外国人というこのフォレスト株式会社は、どのような企業なのか、どのようにして外国人が活躍できる環境づくりをされているのか、ご自身も日系ブラジル人という代表取締役の沖野宏施様にお話を伺いました。

 

-まず沖野社長が来日された経緯から教えてください。

 

 「私の出身はサンパウロで、高知県出身の両親から生まれました。父は18歳でブラジルに渡り、母は1~2歳でブラジルに渡ったようです。私は、入管法が大幅に改正された直後の1990(平成2)年に来日しました。当時、24歳でした。」

 

 

 

-来日後はどういったお仕事をされていたのですか?

 

「来日後は、1年間工場で働きました。その後、いったんブラジルに戻りましたが、再来日し、人材派遣会社の人事管理部門で働くようになりました。この人材派遣会社で14年勤務しました。」

 

 

 

-その後、現在の会社を立ち上げられたのですね?

 

2007(平成19)年に独立して、現在のフォレスト株式会社を立ち上げました。人材派遣会社としてスタートし、平成23年には製造業を営む会社からキッチン扉の製造部門を引き受け、製造業に参入しました。その際、社員25名も新たに加わることになりました。今年(平成30年)で、人材派遣部門で11年、製造部門で7年になりました。」

 

 

 

-現在はどれくらいの社員の方が働いていらっしゃるのですか?

 

75名ほどです。そのうち外国人が43名で、ベトナム人が11名、ブラジル人が27名、フィリピン人が5名というような内訳です。」

 

 

 

-とてもたくさんの外国人社員の方々が働いていらっしゃるのですね。

 

「外国人社員はみんな真面目に働いてくれています。社内のお知らせ等は多言語に翻訳して出すなどしていますが、なるべく日本語を使う環境をつくるようにして、日本語を少しずつ習得してもらうように配慮しています。また日系人の社員が事務職として働いており、何かトラブルがあったときは言語上の問題がなくスムーズに対応できるようにしています。その甲斐があってか、『フォレストになってから、職場の雰囲気がよくなった。』という声も聞いています。」

 

 

 

-外国人社員が活躍できるよう工夫されている事を教えてください。

 

「外国人の労働者は日本に長く住んでいても、日本文化に触れる機会というものがなかなかありません。そこで年に1回行っている社内旅行では、日本文化を知ってもらう取組みをしており、伊豆や京都に出かけて、神社でのマナーを知ってもらったり、旅館に泊まって畳や布団で宿泊したり、お膳料理を味わってもらったりするようにしています。

 

私は日本に来た際、当時勤めていた会社の社長に日本文化に触れる機会をいただきとても感動致しました。社員にも日本で良い思いをしてもらいたいと考えています。

 

逆に、社内で行うバーベキューは、ブラジルスタイルです。日本人社員に対して、ブラジル人の社員と共にブラジルスタイルのバーベキューを体験してもらうようにしています。最近は日本人社員がとても積極的に参加してくれています。」

 

 

 

-今後のフォレスト株式会社のビジョンを教えてください。

 

「今後日本においては、より製造業の、特に木工関係の仕事を増やし、品質向上に努めて行きたいと考えています。会社名が“フォレスト”ですから。

 

また、現在少しずつブラジルでも事業を行っており、温水便座の受注等を行っているのですが、将来的には日本でやっているシステムキッチンの事業をブラジルでも展開したいと考えています。」

 

 

 

-現在行っている事業をグローバルに展開されるという事ですね?

 

「日本で働く日系ブラジル人の社員の中にはブラジルに帰国する社員もいます。そうした社員が、ブラジルに帰国してもフォレストで同じ仕事ができる、というような環境を作りたいと考えています。また今後も社内教育を通じて人材育成をし、社員がブラジルに戻っても通用するようなスキルをフォレストで習得できるようにしたいですね。」

 

 

 

-本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

 

 

フォレスト株式会社(URLhttps://www.forestkk.com/