静岡県を支える友好都市からの若きリーダー

臼井国際産業株式会社

繆 詩槐さん

第21回Life in Shizuokaでは、平成29年に静岡県と友好提携35周年を迎える浙江省から来日し、学生時代にはふじのくに留学生親善大使、現在は多文化共生審議会委員と活躍中の繆 詩槐さんを紹介します。

 

氏 名:繆 詩槐(みょう しかい)

出身国:中国(浙江省)

居住地:沼津市

職 業:臼井国際産業株式会社勤務

 

-どんな仕事をしていますか

 臼井国際産業株式会社は、自動車の部品を製作しています。私はその中でグローバルロジスティックスを担当しています。日本で作られた部品を海外拠点へ輸出したり、日本で使うものを輸入したりしています。現在海外拠点は中国、韓国、フィリピン、タイ、アメリカ、メキシコ、ドイツ等様々な所にあります。

 

-話せる言語を教えてください

 中国語、日本語と英語です。英語は最近仕事で使う機会が増えてきたので、もっと勉強したいと思っています。

 日本に留学したきっかけは、昔、父親が沼津の水産会社で研修生として働いていたため、小さい頃から日本に興味があり、父とゆかりのある静岡県に留学して日本語の勉強を始めました。教科書だけの勉強ではコミュニケーションを取ることが出来なかったので、ボランティア活動に参加して人と話す機会を増やしました。徐々にコミュニケーションが取れるようになり、友達も増えてとても充実した大学生活でした。

 

-中国をひとことで表現するとどんな場所ですか

 土地がとても広く、様々な文化が入り混じった刺激のある国です。日本との歴史や文化もあり、絆のある関係だと思っています。将来はお互い手を繋ぎアジアを一緒にリードしていけると思っています。

 また、私の出身地である浙江省は静岡県とよく似ています。沿岸地区で環境が良く、豊かなところです。温州市ではみかんの栽培も盛んです。

 

-海外の友人が中国を訪れたら、どんなところへ案内しますか

 まず北京へ案内したいです。中国5千年の歴史が色濃く残っています。その雰囲気を是非感じてほしいです。次に上海です。上海は東京と似て経済の中心地域です。最先端の建物がたくさん並ぶ中、内陸には歴史ある建物が残っているので、その両面を見てほしいです。最後に浙江省の中心、杭州です。ここではインターネット等を活用した若者の創業が増えています。「独身の日」の爆買いが日本でも有名になった通販サイト、アリババ本社もあるので案内したいです。

 

-海外の友人が中国を訪れたら、どんな料理でもてなしますか

 上海の小籠包でおもてなししたいです。小籠包の中身は豚肉だけではなく、海鮮や牛肉、鶏肉など様々です。本場の味を是非食べてほしいです。また中国のラーメンもお勧めです。日本のラーメンは有名ですが、中国のラーメンは日本のものよりあっさりとした味が特徴です。

 もう一つは私のふるさとの焼き餃子と粽(ちまき)です。普段からよく食べるものですが、粽は朝ごはんとしてよく食べました。共働き家庭が多い中国では、小学校の入り口近くに多くの売店が並んでいます。粽をはじめ、おかゆなどさまざまな売店があり、そこで朝ごはんを買って小学校へ行く子どもが多いです。私もよく粽を買って学校へ行きました。

 

-普段、どのようにして週末を過ごしますか

 学生時代は沼津港へ魚を食べに行ったり、出掛けたりすることが多かったのですが、社会人になって同期と伊豆の温泉でのんびり過ごす機会が増えました。特に沼津から近い長岡の温泉が多いです。

 また、月に1、2回ですが、草薙の体育館でバスケットボールをして汗を流すこともあります。

 

-静岡県の中で一番好きな場所はどこですか

 伊豆半島です。おいしいご飯を堪能することもできますし、温泉に入りながら見える富士山や海がとってもきれいです。ドライブが好きなので、伊豆半島を3時間くらいかけて一周することもあります。沼津から西伊豆を周り、熱海までをドライブしながら見る海の風景が好きです。中国の海は砂の関係で黄色っぽいところが多いですが、伊豆の海の青さは見ているだけで心が落ち着き、疲れがとれます。

 

-静岡県(日本)の食べ物のなかで一番好きなものは

 一番好きなのはお寿司です。中でもエビやマグロが好きです。中国では胃腸のことを考えて冷たいものを避けることがありますが、せっかく日本にいるので、冷たくてもおいしいお寿司やアイスを堪能したいです。他にも静岡おでんが好きです。富士に知り合いのお店があり、そこで食べる静岡おでんはとてもおいしいです。

 

-あなたの母国から家族(友人)が訪ねてきたら静岡のどこへ案内しますか

 父親の働いていた沼津市で美味しいご飯を食べて、三島市にある三島大社周辺を案内したいです。三島大社の周辺はまちづくりがとてもきれいです。源兵衛川をはじめとするたくさんの自然と、人の住むバランスがとても良いと思います。また、私の好きな伊豆半島も案内したいです。フェリーに乗って、熱海から初島へ行くのもいいですね。

 

-外国人の活躍しやすい静岡県になるために何が必要だと思いますか

 このことについては、学生時代から考えています。私は、3つの領域が動かなければ、外国人は日本に残りづらく、働きにくいと思います。一つ目は大学です。大学は留学生を受け入れるだけではなく、将来のことも考えてほしいです。留学生が就職をしたいのか、帰国をしたいのか、その人に合わせたカリキュラムがあるといいと思います。

 二つ目は企業です。静岡県の企業の中には外国人を社員にすることに対し不安を抱えており、採用するのかを曖昧にしているところがあります。東京や大阪では留学生専用の就職イベントがあります。留学生は静岡県が好きであっても、就職情報がないため、東京や大阪に出てしまうケースが多いです。

 三つ目は行政です。行政は街を動かす力があると思います。地域住民の中には「〇〇人だから」と先入観を持つ人もいますが、コミュニケーションが取れれば誤解が解けると思います。そういった場作りのサポートをしてほしいです。

 この3つが動き出せば、静岡県で外国人がもっと活躍することができると思います。

 

-静岡県の人々に一言

 「感謝」を伝えたいです。静岡県に来たときは、日本語が出来ませんでした。勉強しながら地域住民の方や先生にたくさんのサポートをして頂きました。

 また、様々な経験をすることも出来ました。静岡県ふじのくに留学生親善大使になった時は、各地の学校や町内を巡って自分の国の文化について話すことが出来ました。東日本大震災の時は被災地でボランティア活動を行いました。始めは日本語を話すことが怖かったのですが、皆さんの優しさがあったので、日本語が上達し、社会人として頑張ることが出来ていると思います。

 

-最後に海外の人々に向けた静岡PRをお願いします

 静岡は日本の真ん中にある自然豊かな地域です。おいしい食べ物に優しい住民と、とても観光しやすい所です。チャンスがあればぜひ富士山を見ながら、静岡のおいしい食べ物を楽しみに来てください!

 

―上司の方から一言

 2015年に入社して、まだ2年しか経っていないのですが、繆さんは既に重要顧客の窓口として「一国一城の主」の活躍をして頂いております。

 人との接し方にはやさしさがあり、多方面の方に好かれています。仕事に対する姿勢は前向きであり、妥協せず改善に励んでいます。

 これからの成長が楽しみであり、期待しています。


なかまを支える癒しの笑顔

フィリピン「NAKAMA」アドバイザー

山下メリンダさん

第22回「Life in Shizuoka」では、静岡市国際交流協会やボランティア団体「NAKAMA」を通し、静岡県内に住むフィリピンの方の支えとなっている、山下メリンダさんを紹介します。

 

氏名 :山下メリンダ様

出身国:フィリピン(ダバオ市生まれ、5歳からマニラ市。現在は日本に帰化。)

居住地:静岡市

職業 :フィリピン「NAKAMA」アドバイザー

 

-どんな仕事をしていますか

 静岡市国際交流協会で、外国語相談員として在住外国人の方から相談を受けたり、情報誌やインターネットテレビを使って様々な情報をタガログ語で発信したりしています。他にも検察での通訳や、フィリピン「NAKAMA」という団体を発足しボランティアを行っています。

 静岡で国際交流の仕事を始めると、在住フィリピン人の多くが偏見について悩んでいることを知りました。フィリピンの事を正しく知ってほしいと思い、16年前にフィリピン「NAKAMA」を立ち上げ、日本とフィリピンの架け橋となるような活動をしてきました。フィリピンの事を知ってもらうためのイベントや、日本語教室の紹介等、社会的、文化的、人道的、教育的な面から支援を行っています。

 

-話せる言語を教えてください

 タガログ語、英語、日本語、あとビサヤ語を少し。生まれはミンダナオ島のダバオ市ですが、5歳からマニラに住んでいたため、ミンダナオ島で使われているビサヤ語は聞き取ることが出来る程度でした。しかし、日本に来てみるとビサヤ語を話す人が多くいたので勉強しました。

 日本語も日本に来てから勉強しました。私の日本語の先生は夫です。毎日日記の宿題があり、夫がチェックしてくれました。

 

-フィリピンをひとことで表現するとどんな場所ですか

 海が自慢の国です。フィリピンには7000を超える島があり、それぞれにとても綺麗な海があります。海に沈む夕日はとてもロマンチックです。

 

-海外の友人がフィリピンを訪れたら、どんなところへ案内しますか

 やはり自慢の海を案内したいです。ボラカイ島、パラワン島、カミギン島は特に綺麗な海を見ることができます。パラワン島の海にはサンゴ礁が多く生息していてとても綺麗です。また、手漕ぎボートで行く鍾乳洞の洞窟、プエルトプリンセサの地下河川は世界遺産になっています。

 

-海外の友人がフィリピンを訪れたら、どんな料理でもてなしますか

 フィリピンのシーフードでおもてなししたいです。魚や貝、ミンダナオ島はマグロが有名です。食べ方はグリルしたり、海の近くでは刺身で食べたりすることが多いです。フィリピンの刺身は日本の刺身とは少し違い、お酢がかかっています。フィリピンは一年を通して気温が高いので、腐らないようにするためです。他にもお酢を使った漬け汁に肉やシーフードを漬け込んだアドボや、果物がお勧めです。フィリピンを代表する果物、マンゴーはとても甘くておいしいですよ。

 

-普段、どのようにして週末を過ごしますか

 休みの日は家族で出かけたり、日曜日は教会へ行ったりします。

家族とは、温泉やハイキング、ドライブに行くことが多いです。特に温泉は大好きです。伊豆や舘山寺、箱根など静岡から行くことができる温泉地はたくさんあります。舘山寺は狭い範囲に多くの温泉があるので、転々と様々な温泉に入るおもしろい経験が出来ました。

 

-静岡県の中で一番好きな場所はどこですか

 富士山が好きです。小学校の時、社会の教科書に桜と富士山の写真が載っていたのを見て、憧れを抱きました。結婚をして日本に来て、まさか富士山の近くに住むとは思ってもいなかったです。世界遺産にも登録された富士山は、季節によって見え方が違うので、よく写真を撮り楽しんでいます。また、富士山を見ることが出来た日は良い日だなと感じます。

 静岡市の中では日本平が好きです。日本平からロープウェイに乗って行くことができる、久能山東照宮は歴史的価値があるところだと思います。また、駿河湾や富士山を一望できる日本平ホテルでコーヒーを飲むのも好きです。

 

-静岡県(日本)の食べ物のなかで一番好きなものは

 鰻が好きで、浜松に食べに行きます。調理する前の鰻はヌルヌルしていて少し怖いですが…調理された鰻はとても美味しく、食べると元気になります。

 もう一つはお茶です。フィリピンにはお茶や、温かい物を飲む習慣がありません。初めてお茶を飲んだ時は苦いと感じましたが、飲んでいくうちに好きになりました。とても健康的な飲み物だと思います。最近フィリピンにもペットボトルのお茶がありますが、日本のお茶とは違いとても甘いです!

 

-フィリピンから家族(友人)が訪ねてきたら静岡のどこへ案内しますか

 日本平の久能山東照宮はもちろんですが、駿府公園にある紅葉山庭園に案内したいです。静岡の有名なお茶と、季節ごとに違う和菓子は毎回楽しむことができます。

 

-外国人の活躍しやすい静岡県になるために何が必要だと思いますか

  日本に来たばかりの頃は日本語や日本の文化、ルールなど、わからないことがたくさんあるので、そういったことを教える場所が必要だと思います。

 また、地震など防災についての勉強会に参加することも大切です。避難する場所や、避難の際に必要な物を知ることが出来ます。私は防災の勉強会があると、周りの人を誘って参加しています。フィリピンも災害が多い国なので情報をフィリピンにいる人とシェアすることも出来ます。

 これからもっと、勉強する場と参加する人が増えればいいと思います。

 

-静岡県の人々に一言

 国こそ違いますが、外国人ではなく同じ人間として平和に仲良く暮らしたいと思っています。誰かの役に立ちたい、認め合いたいという普通の願いを私たちは持っています。

 日本語がまだあまり上手くなかった頃は大変な経験もしましたが、頑張ろうという言葉と共に強くなりました。

 現在も外国の方の悩みを聞く仕事をしていますが、悩みを聞いて私も勉強しています。

 

-最後に海外の人々に向けた静岡PRをお願いします

 静岡はとっても住みやすいところです。気候も温かく、人ものんびりと穏やかです。お茶やみかん、桜エビにシラスとおいしい食べ物もたくさんあります。温泉はもちろん、春は花、夏は海、秋は紅葉、冬は富士山の近くでスキーと1年中それぞれの季節を楽しむことが出来るところです。

 

-上司(静岡市国際交流協会)の方から一言

 山下メリンダさんは、「誠実+温厚+笑顔」な性格で、いるだけで職場が明るくなります。時々「山メリンダさん」と呼んでしまいます。ごめんなさい。